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2010.09.18 Saturday  無駄は不要か

 
ある勉強会の席で、新しい媒体を利用したターゲット広告に関するお話を聞きました。
今までマス広告だったものを、新しく普及しつつあるプラットフォームと新技術を利用することでターゲット広告化できるという非常に強力なもので、これはすごいなあ!という興奮と同時によぎったのが、あまりに情報が各人に対して最適化され過ぎることって、果たして良いことなんだろうか・・という疑問でした。



テレビCMや映画の予告編、電車の中吊りや新聞広告など、日常的に目にしている情報の中には興味のないものや今は必要としていない情報が多分に含まれています。
民放番組のCMをスキップするように、新聞広告や雑誌の広告欄を飛ばし読みするように、私たちは不要な情報をカットして「必要と思えるもの」を選びながら日々暮らしているわけですが、早送り中のCMの中になんかちょっと気になるものがあって、巻き戻してそのCMを見てみたり、たまたまテレビで偶然見かけたことで、柳川のどじょう鍋に興味を持ってみたり、興味を持つまでは不要としか思えなかった情報との偶然の出会いが、趣味や志向、興味の対象や価値観を押し広げてくれる側面も多分にあるのではないかと、思えるわけです。

普段は見ないジャンルのDVDをたまたまレンタルしてきたときに、強制視させられる予告編がきっかけで他作品にも興味を持ち、そのジャンルへの趣向が期せずして広がったような経験、またはそっちがその後の主食にすらなってしまったことって、ありませんか?
または本屋さんをぶらぶらしているときに、普段は行くことのないであろうジャンルのコーナーに行ったらなんだか面白い本を見つけて、それが縁で新しい世界が広がるようなことって。

検索主体のインターネットやターゲット広告が主流のECなどでは、広告の効率化を追求するために「無駄」を省いて非常に効果的なマーケティングを行っているわけで、売る側の論理としてはすごく理にかなっているわけですけど、受ける側からすれば、本人すら予測していない偶然の出会いって、アナログの世界にはどうしても存在してしまっていた「無駄」の中に確実に潜んでいて、その「無駄」を排除してしまうことで将来的に興味を持つであろう世界や、ちゃんと知っているわけではないけどなんとなく日々感じている「直感的な判断」の根拠になる材料の幅が狭まってしまうような気がするわけです。

いわゆる「無駄」な情報はスキップしたりカットしたり目に入らなかったりしていますが、それは顕在意識レベルの話であって、潜在意識にはそういった「無駄」な情報もしっかり蓄積されていて、ポン!と何かアイディアが浮かぶときの材料になっていると思うんですね。
自分にとって新しい発想や斬新と思えるアイディアって、現時点で認識できている情報からは出てこないがゆえに考えるわけで、考え続けている=自問し続けていると、どこかから「うきゃッ!」というような知恵が降りてくるのって、潜在意識というデータベースの情報が顕在化されたっていうことなんだと思うんですね。

効果的に必要な情報を多分に取り入れているのに、なんだか最近直感が冴えない、発想がわかない、アイディアに乏しい・・なんてときは、要は潜在意識にたまっている他ジャンル=不要な情報量が枯渇している状態なんではないかと思うわけで、そこで必要になってくるのは実は「無駄」だったんではないかと。
効率的に役立つ情報ばかりに囲まれて、便利で快適に見える環境に身を置いていることの落とし穴って、そんなところにあるような気がします。

ちなみに、Twitterというツールの魅力のひとつは、そういった自分の過去の行動パターンでは出会うことがなかったであろうものに出くわす偶然性があるからこそなんですよね。超効率的なネットというデジタルの世界に「無駄」という偶然性を持ち込んだ功績は大きいと思います。

レバレッジシリーズ著者の本田直之さんは、仕事はレバレッジを利かせて効率的に、しかしプライベートやオフの時間はあえて効率化しない、急がない、カリカリしない生き方を説いていますが、実はオフタイムには『能動的に「無駄」を取り入れる』ことがこれからの社会ではものすごく重要なんだ、という意味あいも含んでいたんだということが、ようやく分かりました。

ではどんな「無駄」な情報を仕入れれば良いのか。
今現在必要とは思えない情報であれば、要はなんでもOKなんですが、中でも一番いいのはやはり「一流のもの」それに触れることなんだと思います。
一流のアートや空間、サービスや人物に触れる時間を持つこと。
直感やアイディアの源泉となるデータベースに入れる情報は、やっぱり「本物」が最適なわけで、それを根拠に直感が沸いてくるとしたら素晴らしいに決まってますよね。これまた子供の頃から当たり前に言われてきたことへの理解度がちょっと深まりました。

工業化社会から情報化社会へと変わり、そして現在の知識社会は知識の創造が価値を生む社会であり、ほんのちょっとの気づきや視点の違いが最重要とされる社会です。そんな創造を支えるために、高度に効率化された世の中で自発的に「無駄」を作る努力をするというのは何とも面白いですね。

と、ここまで書いて気付きましたが「20%ルール」という「無駄」にとっくの昔から全社で取り組んでいるGoogleは、やはり末恐ろしいなと。。 




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